新太郎
「西暦1904年……日露戦争が始まったこの年、
日本は明治と呼ばれる時代だった」
綸子
「明治時代の……日本と言えば……」
更紗
「文明開化ですわ!」
新太郎
「その通り、更紗君」

「更紗が正解なんてめずらしい」
新太郎
「武士の政治が終わり、日本は明治という新しい時代に入った。そして、それまで外国と結んでいた不平等な条約を改正するため、日本が新しくなったことを外国にしめす必要があったんだ。それで文明開化が進められた」

「いろいろなことが改革されていったんですよね」
新太郎
「ああ。では、みんなに文明開化の例をあげてもらおう」
更紗
「ふっ。こういうときこそあたくしの出番ですわ!」
新太郎
「じゃあ、更紗君」
更紗
「えーと……ですわね……」
新太郎
「うんうん」
更紗
「そ、その……ですわね……」
新太郎
「…………」
木綿
「はい! 西洋の服が着られるようになりました!」
新太郎
「おっ。そうだね、木綿君。キミの着てる服も西洋のものだ」
更紗
「くぅっ。木綿さんに先をこされるとは」

「街にも西洋のものがふえたよね。ガス灯とかレンガの建物とか」

「西洋式の軍隊ができて、武士じゃなくても
お国のために戦えるようになった!」
綸子
「西洋の政治思想が入り……憲法もつくられました」
更紗
「ああ……みなさん次々と……」
新太郎
「すばらしい。みんな、わかってるみたいだね」
更紗
「い、いいえ。みなさん、まだまだですわ。
大事なことが出ていないと思いますし……」
新太郎
「よく気づいたね、更紗君。じゃあ、それをみんなに教えてあげて」
更紗
「えぇっ?!」
新太郎
「その大事なこととは?」
更紗
「えーと……それは……ですね……」
木綿
「学校ですよ!」
更紗
「え?」

「あっ、忘れてた。明治になって学校ができたんだ」
綸子
「全国で……義務教育が」

「あたしたちは、そこで学べなかったけど」
更紗
「そ、そうですわ、学校ですの! あたくし、そう言いたかったんです」
新太郎
「学校ができて、人々は学問を学べるようになった。よりよい明日を作るため学問は必要なものだ。学校ができたことこそ、もっともすばらしい文明開化だと僕は思っている」
木綿
「おにいちゃん……」
新太郎
「文明開化で日本はどんどん強い豊かな国に変わっていった。問題がまったくないというわけじゃなかったけど、外国に認められる国に近づいていったのは確かだ。……けど」

「けど?」
新太郎
「日本はまだまだ小国だった。それがはるかに強い力をもった
大国と戦わなければならなくなったんだ」

「……ロシアだね」
綸子
「…………」
新太郎
「次はこの時代のロシアについて話すことにしよう」
 
《続く》

第一回|第二回
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